1. 一般的に費用で主たるものを列挙しようとすると、真っ先に上がるものの一つは人件費です。でも、人件費は他のコストと同様なものなのでしょうか? もちろん、人件費と同様に仕入単価や外注単価をより低減できれば利益は増加します。でも、こうした仕入単価や外注単価を交渉したり、同じ広告宣伝費のパフォーマンスを決定づけるのは、まさに人なのです。 こうして考えてみると人がマネジメントできる売上と経費のみで算定された利益と、その人の人件費を対応させて損益管理すべきなのではないでしょうか? これをある営業会社でイメージ化すると以下の通りとなります。
これを見ると、営業は人件費65百万円で+122百万円の利益を獲得してきており、人件費の約1.9倍近い利益を稼いでいることになります。
この利益倍率が高ければ高いほど、会社の利益は高くなることは当然理解して頂けることでしょう。
では、利益倍率(売上げ÷人件費)が高くするにはどうなれば良いのでしょうか?
では、この利益を社員人数と総労働時間で割ってみましょう。
この算式を見て頂くとお分かりの通り、利益というのは、社員を増加させ規模を大きくするか、人が時間当たり(←ここがポイント)稼ぐ利益を高くするか、絶対的な労働時間を増やすしかないのです。
でも、社員人数を増やすことは利益ある売上が増額しなければ出来ませんし、こうした努力は常日頃十分に経営者が十分に考えチャレンジしているはずです。 よって、抜本的に経営にてこ入れされない限り、そうそう変わるものではありません。
また、一人当りの時間は有限です。1日普通は7~9時間程度の労働時間が上限近いと考えるべきですので、ここにメスを入れられることは通常あり得ません。
こうして考えてみると、極めて手付かずに残されている経営ドライバーがあるのです。
それは、社員の労働1時間当り利益のアップです。
では、この社員の1時間当り利益をアップするといった事はどういったことで達成されるのでしょうか?
思いつくままいくつか列挙してみましょう。
- 遊んでいる無駄な時間をなくす。
- 1時間当り利益の低い仕事は行わず、その代わりより1時間当り利益の高い仕事を行う。
- 仕事はそれが行える最も安い人件費の社員が行う。
- 同じ仕事をより短くするように採算を考慮した上で設備/投資/費用をかけて行う。
- クライアント/プロジェクト別の利益管理のみならず、人別の概算利益を算出
もし、社長が「よし、分かった。早速、これを社員に伝えて、効率的に行動するように伝えよう。」と 考えて頂き、社員にこれを伝えるとどうなるでしょうか?
人を動かすのは難しいもの・・単に口で概念を伝えただけではきっと組織に浸透しないはず。もし、浸透させるとしたら、社長が社員の行動を全て
監視して、不効率な行動をした際に一々指摘し説明してゆく位の覚悟が必要です。
社長は社員の行動を一々監視し指摘し続けるなんて事は、社員を信用していないようで社風にも良くありません。
では、どうしたらいいか?
社員一人一人が、クライアントやプロジェクトのように利益が把握できる単位別 に、タイムレポートにおいて時間と対比でき、各社員が時間当たりの効率が分かるシ ステムを導入し、経営者のみならず、社員自身がこのシステム上の指標を把握し続け る仕組(体制)を構築するしかないのです。
これを実現させるシステム、それが、「リアライゼーションシステム」なのです。